【2021年38号】週刊少年ジャンプ感想:高校生家族 50話・フレンチオブザデッド 読切・アオのハコ 17話
今週のベスト3は「高校生家族」「フレンチ・オブ・ザ・デッド」「アオのハコ」
感想を書くのが難しい作品ばかり選んでしまいました…。
「アンデッドアンラック」と「呪術廻戦」の感想も併せてどうぞ。
高校生家族 50話
「家族団欒のテレビに下ネタが流れて気まずくなる」という定番ネタを高校生家族に落とし込んできやがりました。くそ…面白い。
この定番ネタを高校の教室でやるという時点で面白かったのに、教室を脱走してからの学級長との会話で、シュールギャグを畳み掛けてきたので更に笑ってしまいましたね。
今回は、セリフのギャグだけじゃなく、表情とかリアクションの部分もかなり好きでした。
授業中の光太郎の虚無の表情とか、学級長の「家族って面倒くさいわよね」に光太郎が「うん めちゃくちゃ面倒くさいよ」と返すところの表情とかがツボです。
光太郎と学級長が「俺より恥ずかしくなってくれてありがとう」「私より恥ずかしくなってくれてありがとう」とお互いに謎の感謝を送り合っていますが、2人とも2コマくらいの微妙な間をとってから返事してるところとかも好きです。
ギャグ漫画の感想は書きにくいので普段は避けているんですが、今回は「これだけ笑ったら書くしかないよな」というくらい面白かったです。
フレンチ・オブ・ザ・デッド 読切
おもしれぇ!!
こんなに完成度の高い読切は久々に読みましたよ。こういう明るい読切が読みたかったんです…!
まず、コメディテイストなところが好きでした。
料理長とネズミの軽快な会話を読んでるだけでも楽しかったですし、ゾンビが「ペッ」とするところとかも緊張感がなくて良かったですね〜。
「同情で雇ったわけじゃねェ」で感動させた直後に「料理を舐めんじゃねェ」の投げ技がきたのも、感動させられすぎないというか、コメディの雰囲気のまま読めたので好きです。
ラストも「よし調理を始めるぞ」でゾンビの好みをコミカルに探るところで〆でしたし、読後感まで明るい作品でした。
あと、構成の完璧具合が半端なかったです。
これはもう好きを通り越して感動しました。
「ゾンビはまず匂いに反応する」という設定を冒頭で仕込んでいたり、「常連は表に集まっていたので裏で捕獲したゾンビの味の好みは分からない」とか、パズルのピースが隙間なく埋まっていくような感覚で伏線が回収されていきました。
しかも、伏線の張り方が違和感がなく自然なんですよ。会話の中でしれっと仕込んでやがる。
ここまでくると、ストレスフリーを超えて快感ですね。
これも最後に言っておきたいんですが、表のゾンビを店内に招き入れたとき、ゾンビが生きている人間を通り過ぎて奥の食事に駆け寄る見開きが大好きです。
「美味しい」とか「いい香り」みたいなセリフは一切ないのに、読者の自分にも旨みと香りが伝わってきました。
じゅるり。
いや〜良い読切でした。
アオのハコ 17話
恋心の自覚、ありましたね。
「気付きたくないんだって」は、もう気づいてるってことじゃないですか…。
雛の表情が、コーチや教頭先生と話しているときと、猪俣に声をかけられたときで全く違ったところとか良かったです。
どちらも笑顔ですけど、前者は目があまり笑っていない作り笑いって感じで、後者は目が完全に恋してました。
展開自体は「雛だったらこう思うだろうな〜」や「猪俣だったらこう言うだろうな〜」というように予想から大きく外れていないんですが、感情描写で期待を悠々と超えてくる「アオのハコ」という作品は面白いな、と改めて実感しました。
モノローグだけじゃなくて表情や行動からも心情が伝わってきます。
今回の描写の中から挙げると、雛が猪俣のことを思い出して胸が「ぎゅーっ」となってる描写とか秀逸でした。雛を通り抜けるように「ぎゅーっ」が描かれていることで胸が締めつけられている感じがよく伝わってくるんですよ。
ほんとキャラの心情を描くのが上手すぎます。
ここ最近、雛にスポットライトが当たっている回が続いています。
「幼馴染サブヒロインの失恋」は恋愛漫画においてかなり大きいイベントじゃないですか。それをこんな序盤に一気に進めてしまうのが凄いです。逆に、ここから先をどうするんだろうと心配になるくらいのハイスピード展開。
まあ、ここまで部活関連のエピソードばかりだったので、学校らしいイベントのエピソードをやったりするのかもしれないですね。例えば、校外学習とか体育祭とか文化祭とか。
「学校っぽいイベントが控えている」という余力をもった上でハイスピードな展開にしているのかもしれません。
アンデッドアンラック 75話
「スプリングのエリア内で30分経過すると桜になってしまう」という新設定が判明。
一見かなり理不尽なルールですが、スポイルもロンギングで似たようなルールを強いていたことを踏まえると、UMAらしいクソルールと言えるのかもしれません。
少し勘違いしてしまったのは「四半刻 呑んで待とうぞ 春時雨」というセリフ。
四半刻のことを15分だと思っていたので、タイムリミット前に何かあるのかな〜?と変に勘繰ってしまいましたね。
昔の時間は2時間刻みだったので、四半刻は2時間の4分の1で30分とのことです。
これなら「タイムリミットまで待つ」という自然なセリフでした。
クリード VS チカラ&トップ
チカラの装備が新しくなっていますね。サマー戦のときはゴーグルでしたがグラスになってます(グラスという呼び方で合ってます?バイザー?)
マントとグラスが組み合わさることでSFキャラクター感が増してました。
アンデラっぽくはないけどカッコいいので好きですよ。戸塚先生の好みかな?
弾幕を目の前にしてもビビらなかったり、クリードにハッキリ言い返したり、堂々とした姿からは精神的な成長も感じ取れました。
ビビリだったチカラくんはどこへ行ったんだ?カッコいいぞ。
あと、ニコの球体に乗って移動するアイデアが面白かったですね。
発動条件は「四肢を固定する」なので、足元が動いてるだけならOKのようです。「絶対位置の固定」ではなく「相対位置の固定」というイメージが分かりやすいでしょうか。
実はこのへんの設定、結構前から予想していたので自慢させてください。
ドンピシャで的中してるわけじゃないですが、当たらずも遠からずって感じです。
さて、このバトル。既にクソデカフォントを乱発しています。
もう少し出し惜しみしないと、クソデカフォントのありがたみが薄れてしまいそう…。
今回のラスト見開きで、チカラが動きを止めてる隙にトップが蹴りを入れてますが、そんなに大きなダメージは入っていないようなんですよね。後頭部を蹴られた直後に「馬鹿が」と悪態を吐けるクリードさん、タフすぎる。
決定力に欠けるユニオンタッグの戦い方とは…?
次回も楽しみです。
呪術廻戦 155話
秤の「熱」の話。
6ページも掛けた割に、内容が薄いというか魅力を感じる話じゃなかったですね。
「何言ってんだコイツ」みたいな気持ちで読んでました。冷めちまったな…!
このまま秤というキャラに興味を持てないままだと、ストーリーへの興味も薄れていってしまいそうなのが辛いところ。
ただ、虎杖とのバトルで秤の実力は確かめられそうなので、その点は楽しみですね。
秤の術式についてもヒントは出てきていますが、まだ考察できるほどの情報は出揃っていません。
現時点では「コンプラ違反スレスレ」「電車の扉」「ニューテクと絡んだ術式の典型」ぐらい。
もう少し待ちます。
五条悟の封印を信じない綺羅羅。
これ意外だったんですけど、五条悟の封印は術師に周知の事実じゃなかったんですね。
情報統制でも掛けられてるんでしょうか。あるいは、「話は聞いてるけど現実味が無さすぎて信じていない」というパターンも考えられそうです。
東京壊滅のニュースを知っていたら五条悟の封印も納得できると思うんですけどね…。五条悟が生きてたら東京壊滅なんてするわけないので。
最後に綺羅羅の術式の話。
自分は前回の感想で「磁力のような術式」と予想していましたが、「星座をモチーフにした術式」という予想が有力らしいです。
パンダにつけたマーキングの「Imai」が南十字座の星の名前とのことです。
みなみじゅうじ座 - Wikipedia
「マーキングした対象を強制的に星座と同じような配置に移動させる術式」みたいな感じでしょうか。二つの対象を近い星に設定するとくっつけることができて、遠い星にすると弾き飛ばせる、みたいな。
もし本当に星座をモチーフにしているなら、マーキングをできる数には制限がありそうです。星座の星の数がマーキングの最大値かな。
今回のラストで伏黒が脱兎を使っていますが、手数の多い脱兎ならマーキングの上限という弱点を突けそうです。さすが伏黒。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
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