漫画研究室

ジャンプ作品の感想や考察を書いている個人ブログです。ジャンプ感想を毎週更新中。ワートリ感想を毎月更新中。呪術廻戦・アンデラの単行本感想を随時更新中。

【2021年39号】週刊少年ジャンプ感想:ヒロアカ 324話・アンデラ 76話・ワンピース 1023話

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週刊少年ジャンプ2021年39号 集英社

アンケートは「ヒロアカ」「アンデラ」「ONE PIECEで送ります。
面白い作品が多くてかなり悩みました。今週のロボコと完全一致。




僕のヒーローアカデミア 324話

文句なしのアンケート1位。神回でした。


前回の「特別な力はあっても特別な人なんていません」というお茶子の呼びかけも正論ではあったんですが、正直なところ、正論というだけでは心を揺さぶる説得として物足りなさがありました。

ですが、今回は、その正論の上に「人の喜ぶ顔が好きだった」というお茶子の個人的な想いが乗ってきたので、かなり心を揺さぶられました。言葉に重みが出たというか、一言一言が響くんですよね…。
やっぱり、感情を動かすのは理屈じゃなく感情だなと再認識。説得にモノローグを重ねる演出は強いです。


説得のラストには、タイトル回収。最高でした。

「ここを彼の」だけで「ヒーローアカデミア」が続くことを読者にイメージさせておいて、「これは僕が最高のヒーローになるまでの物語」を一旦挟んで焦らすのズルいですよ…。この時点で涙腺ギリギリでした。
そして期待通りの「ヒーローアカデミアでいさせて下さい」と泣き崩れるデク。
読んでるだけの立場の自分まで涙ぐんでしまいました。

ここのデクの泣き顔、 1話の「君はヒーローになれる」のときのセルフオマージュらしいですね。もう…圧倒的です。最高。


そして洸汰くん。
校長の「あと一歩」に洸汰くんの「赤い靴」のエピソードが重なってくるのが堪らないです。完璧すぎる構成。

前々回にお茶子が言っていた「ヒーローが辛いとき誰がヒーローを守ってあげられるだろう」の答えは「デクが辛いときウラビティのような周りのヒーローがデクを守ってあげる」と予想していたんですが違いました。
「みんなが最高のヒーローになるまでの物語だ」でしたか。

「プロヒーローが人々を救い、救われた人々がプロヒーローを救う。だから、みんなが最高のヒーロー」ということだったんですね。
「きっと誰もが誰かのヒーロー」という言葉を思い出しました。

アンデッドアンラック 76話

スタングレネード、目潰し、足潰し。

ユニオンが勝つ可能性を丁寧に潰してくるクリードの格が上がります。
ただ、折角ここまでやったなら、眼も完全に潰すくらいやっておいて欲しかったですね。少し甘い。

最初に読んだときは、クリードが眼球を抜き取ったと勘違いして読み進めたので、不動の発動でやや拍子抜けしました。「あ、目残ってたんだ」と。
いや、そんなに簡単に人の眼球は簡単に取れないんですけどね。
NARUTOを読みすぎてたみたいです。あの世界は眼球の取り外しがお手軽ですから…。


キャラクターへの愛着を抜きにすると、負傷で緊張感が高まったことで作品自体が面白くなってきました。
愛着のあるキャラが傷つくことの悲しみと、作品が面白くなってきた喜びで、複雑な気分です。


まあ、目潰し関連で物足りなさはありましたが、そのあとはチカラくんがド直球でカッコよかったのでトータルで見れば圧倒的にプラスの回でした。

「動くな ボクが信じる友達が光の速さに届くまで!」

これまでのアンデラ全話の中でも屈指でカッコいい台詞です。
チカラくん、最近までビビリだったのに、いつの間にこんなにイケメンになってたの…?

ONE PIECE 1023話

情報量が多い…!

悪魔風脚、ルナーリア族、ゾロとリューマ、モモの助…。
前回も比較的情報量の多い回でしたが、今回は更にそれを超えてきました。ここまで情報量が多いのは久しぶりです。
情報量に比例して感想も長くなってしまいました…。


まず、悪魔風脚。

悪魔風脚にクイーンが疑問を抱いたということは、悪魔風脚の理屈が説明されるかもしれません。このまま「情熱」で押し通す気かもしれませんが笑
どんな原理で燃えてるのか初登場から10年以上ずっと謎で「なんで脚が燃えるんだよ」とネタにすらしてきましたけど、もはや"そういうもの"として受け入れていたので、今になってちゃんとした理由がある可能性が出てきたのにはビックリしました。

普通にあり得そうな理由としては、ジェルマの遺伝子操作による身体強化。

他の兄弟と違ってサンジは失敗作と言われていましたが、成長して大人になってから部分的に発現し、それが悪魔風脚なのかなという予想です。
今回「体がちょっと…」とサンジが体の違和感を口にしているのも、ジェルマ兄弟特有の外骨格が遅れて発現したと考えるのが無難でしょうね。

サンジのお母さんはサンジが普通の子として生まれたことを喜んでいたので、これがサンジにとって100%"良い"パワーアップなのかどうかは微妙なところですが、身体はともかく人間性の方に異常は無いのでセーフかな。


次に、ルナーリア族
かつてレッドラインの上に住んでいた身体が燃える種族で、キングはその生き残り。

今回、レッドラインの上には神の国があったという情報が追加されたことを踏まえると、「ルナーリア=神」ということ?流石にこれは短絡的すぎますかね…。
ルナーリア族がレッドラインの原住民で、神である月の民が後からやってきた、という可能性もありそう。

うーん。古代世界の設定に関わってきそうな設定ですね〜。
色々と情報が増えてきましたが、まだ自分の貧弱なワンピ知識(ナレッジキング49点)で考察できる段階ではなさそうです。


そしてゾロとリューマ

まさかの子孫ですか…。血縁だけじゃなく隻眼という共通点もあるのがアツいです。

リューマの子孫が「霜月牛丸」
和同一文字の制作者が「霜月コウ三郎」
くいなの父親が「霜月村のコウシロウ」

ゾロがコウシロウの息子と考えるとシンプルですが、ゾロとくいなが兄妹になってしまいますし、容姿も似ていません。
辻褄が合いそうで合わないですね…。どういうことだろう。


最後はモモの助。
ジュクジュクの能力で巨大な龍に成長しました。カッコいいですね。

出会った頃の姿を思い出しながらルフィが「モモか」と声をかけるのも粋。外見に惑わされないルフィの「見る目」がカッコいいです。

しのぶの「そのお姿!まるで!」は十中八九おでんに似てるということでしょう。自分も成長したモモの助の姿を見るのが楽しみです。




アオのハコ 18話

「このままじゃ勝てないだろうなって人がいるの」 

雛は恋愛の話、大喜は体操の話のつもりというすれ違いが既に面白かったですし、雛の方だけがすれ違っていることを理解している構図が面白さを倍増していました。

猪俣が気づかずに「ダメな審査員だな」とか言ってるの、ブーメランすぎて見ていられませんでしたね。お前なんだよ…。
その上、「でも絶対逃げないだろ」とか「戦わずに逃げる自分を許せないタイプ」とか、無意識に雛のことを追い詰めてるのも鬼畜でした。いいですね。
後日、猪俣が雛の恋心に勘づくときが来たら、このときを思い出して冷や汗かきそうです。

雛は雛として、すれ違いに自分だけ気づいてることを利用して猪俣に「がんばれ」を言わせたのエゲツなかったです。そういうの…好きですよ。嗚咽しました。


さて、今回のアオのハコ。もう一つ気になったのは千夏先輩の恋心。

雛の「ホント どうしようもないバドバカですよね」とそっくりな猪俣の「雛 新体操バカだから」を聞いたときの千夏先輩の表情。これは一体どういう感情なんでしょう。
そのあとの独り言では、「私って邪魔者…」と一歩下がっているようですが、千夏先輩から猪俣への好意は本当に無いんですかね?あの表情がどうも意味深なんですよね。

どうも「バスケの為だから」も言い訳っぽく聞こえます。
また本人は無自覚パターンなのかな。

そのうち千夏先輩も「気付きたくないんだって…」と言い出すかもしれません。

呪術廻戦 156話

綺羅羅の術式ムズカシイ。

初読時は情報量が多すぎて理解しようとする気も失せたんですが、しっかり読み返すことで無事に理解できました。やっぱり何が起こってるか理解して読むことで作品の面白さが格段に上がります…。


星座がモチーフになっているのでややこしく感じましたが、基本的なルールは4つだけでした。

  1. マーキングは5種類
  2. 同じマーキングは引き寄せられる
  3. 異なるマーキングは反発される
  4. マーキングには順序があり、その順序に従えば異なるマーキングでも接近することができる

この4点を押さえることで、ほぼ全ての戦闘描写を理解できました。
ただ、疑問点が2つ残ってしまいました。

  1. 玉犬にマーキングしてから伏黒と玉犬が引き寄せられまでのタイムラグ
  2. 同じマーキング同士で引き寄せられる際の方向

まず、引き寄せのタイムラグについては、引き寄せの発動は任意ということで納得することにしました。
反発の方がオート発動なので、反発と発動の仕様が異なるのは少し違和感がありますが、無視することにします。

引き寄せの方向については、「マーキングをつけた順番」や「呪力の大きさ」の可能性を最初に考えました。
ですが、154話では伏黒が玉犬に、156話では玉犬が伏黒に引き寄せられています。このことから、引き寄せの順番は「マーキングの順番」や「呪力の大きさ」のような一定のものではなく、状況によって変化する何かで決まっているようです。

そこで「綺羅羅との距離が近い方から遠い方へと引き寄せられる」という仮説を考えてみました。
綺羅羅が考えているイメージ図でも、引き寄せられた玉犬が伏黒より綺羅羅に近い位置に描かれているので、これっぽい気がします。

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呪術廻戦156話 芥見下々 集英社

それにしても、これだけ難解な術式を、戦闘中にカマをかけながら考察していく伏黒の頭脳が半端ないですね…。
しかも、理解してすぐに綺羅羅の術式を逆に利用してます。バトルIQが高すぎる。


ここまで読んで頂きありがとうございました。
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