漫画研究室

ジャンプ作品の感想や考察を書いている個人ブログです。ジャンプ感想を毎週更新中。ワートリ感想を毎月更新中。呪術廻戦・アンデラの単行本感想を随時更新中。

【2021年42号】週刊少年ジャンプ感想:ヒロアカ 326話・PPPPPP 1話・アンデラ79話

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週刊少年ジャンプ2021年42号 集英社

ジャンプ42号の感想。

今号から新連載「PPPPPP」が始まりました。珍しいことに1作品だけの入れ替わりでしたね。

アンケートは「ヒロアカ」「PPPPPP」「アンデラ」で送りました。




僕のヒーローアカデミア 326話

オールマイト像に掛けられた「I AM NOT HERE」の看板。

私はここにいない…ですか。
現役時の「私が来た」とも対比になっていますし、今のオールマイトにクリティカルに刺さる言葉です。
本人が誰よりも無力感を痛感していることを読者は知っているのでやるせなくなります。こんなことをする暇があるならプロヒーローに協力してくれたらいいのに…。


ステインが再登場。

「おまえはオールマイトじゃない」は、「今のオールマイトオールマイトの在るべき姿ではない」という意味でした。
歪ながらもオールマイトに憧れたステインだからこそ、これまで歩んできた道とこれから歩むべき道を本人に示すことができる、という粋な構成ですね。
ステインの使い方が上手すぎます…。

ただ正直なところ、ステインのやってきたことを考えると、「お前が言うな」と引っかかる部分もありました。
特に、ステインが「(オールマイトの残した)火を絶やしてはならない」と言うのは、相当な違和感がありましたね。
ステインは飯田の兄・インゲニウムを含む40人のプロヒーローを殺傷した凶悪ヴィランです。むしろ火を絶やしまくってた奴が何を言ってるんだ?と思ってしまいました。


説得力という弱点を補ってくれたのはオールマイト像を守る一般女性でした。

看板を外してくれたところで心が温まり、オールマイトが最後に救った女だ」で当時の描写を思い出して胸が熱くなりました。そういやこんな女性でしたね。
オールマイトに救われた人こそがオールマイトの功績そのものですからね。これ以上の説得力はないと思います。

図らずも、オールマイトもデクと同様に「救った人に救われる」ことになりました。
今回のMVPヒーローは一般女性で間違いないでしょう。

PPPPPP 1話

ピアノ漫画の新連載。

音楽漫画の見どころであり核心でもある音楽描写を中心に感想を書いていこうと思います。

まず、この作品における「凄い演奏」は「映像的な音楽」ということになるみたいです。
漫画との相性が良い定番の定義ですね。

ただ、定番の定義ではありながらも、「映像的な音楽が2パターンある」という点にオリジナリティを感じました。
1パターン目が天才兄弟の「ファンタジーな映像を見せる演奏」、2パターン目が主人公・ラッキーの「記憶を再現した映像を見せる演奏」です。

個人的には、どちらも天才にしかできない芸当だと思うんですが、父親の楽音には「ファンタジーが乏しい」と叱られていましたし、映像を見た審査員のDADA先生にも「凡才」と呼ばれています。この世界で天才と認められるのは前者の「ファンタジーな映像を見せる音楽」だけのようです。

「ファンタジーを表現する天才 VS 人生で得たものを表現する凡才」みたいな構図で物語が展開されていきそうです。


演奏シーンで印象深かったのは「ドドソソララソ」
きらきら星の音階ですね。有名な曲ではありますが、音楽未経験の読者の脳内で音楽が再生されるかは微妙なラインだったと思います。
ちなみに、自分の場合は音楽が流れませんでした。残念。

ただ、文字情報だけで読者の脳内に具体的な音楽を再生しようとする演出はとても面白いと思います。
マポロ3号先生の過去作「ダダダダーン」も同様の意図の演出ですね。


「ドドソソララソ」より分かりにくかったのは「飲めんぞコレ」というセリフ。
主人公の演奏が作り出した映像がリアルすぎることを表現したセリフだと思うんですが、正直なところメチャクチャ分かりにくかったです。

そもそも「飲めんぞ」だと、「飲める」か「飲めない」か分からないんですよ。せめて「飲めるぞ」にして欲しかったですね…。
自分の初見では、「飲めない」の意味だと勘違いしたので、感動するとコーヒーが飲めなくなる特殊体質の審査員なのかと混乱してしまいました笑


今回は素直に面白かったと思いますが、作品としての評価は保留にしておきます。
ひとまず3話くらいまで様子を見ますね。


公式PVがYoutubeに上がっています。
ピアノがBGMとして用いられていて雰囲気のあるPVだったのでオススメです。
WJ新連載『PPPPPP』公式PV - YouTube

アンデッドアンラック 79話

ただでさえ甘々なアン風に砂糖をぶち込んだような甘さのエピソードでした。

風子からアンディへの恋心については、記憶編で「今 私 好きって言った?」で言葉にしていましたし、能力の都合だけで好きになったわけじゃないことも、「自分に都合のいいだけの不死と出会い 恋に恋してるあわれなアナタ」と言ってきたくるるの不貞を無効化することで証明していました。
今回は、アンディが不運で死ねないと気づいた上で「好きだぜ 風子」と言っているので、これで二人が能力関係なしに相思相愛なことが判明したことになります。

ようやく判明…というか以前からずっとバレバレでしたけど笑
それでも「しっかり言葉にした」というのは二人の関係において大きな意味を持ったポイントなのではないでしょうか。


アンディの想いの強さは、ラストの告白だけでなく戦闘描写からも読み取れました。
不治を回避して再生するロジックのところですね。

リップが言っているのは、おそらく「闇競売のときは治すことより攻撃の意識が強かったので再生できた→今は攻撃のために再生すると結果的に治せることを知っている→攻撃の意思の方が強くても再生できない」ということ。
しかし、アンディは「治療も攻撃もどうでも良くて風子に会いたいだけ」ということで再生できてしまいました。

再生できたのは素直に嬉しいですが、否定能力が認識クソゲーすぎて笑っちゃいますね。



ここまで読んで頂きありがとうございました。
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