【2020年4月20日配信】ジャンプ連載陣傑作読切パック 感想
ネタバレあり。未読の方はご注意ください。
【お知らせ】
— 少年ジャンプ+ (@shonenjump_plus) April 9, 2020
デジタル版
「週刊少年ジャンプ」を
定期購読されている皆様へ
4月20日に予定していた
21号の配信延期に伴いまして
同日に
【デジタル特別増刊】
ジャンプ連載陣傑作読切パック
を配信致します。
ラインナップ等
詳細は後ほど本Twitterおよび
「少年ジャンプ+」でお知らせします。
コロナの影響で発売が延期になった21号の代わりに配信された「ジャンプ連載陣傑作読切パック」の感想です。
ラインナップは以下の通り。
- MONSTERS:尾田先生(ONE PIECE)
- 詭弁学派、四ツ谷先生の怪談:古舘先生(ハイキュー!!)
- 僕のヒーロー:堀越先生(僕のヒーローアカデミア)
- ブラッククローバー読切版:田畠先生
- ハイスペックラヴァーズ:ミウラ先生(ゆらぎ荘の幽奈さん)
- 文殊史郎兄弟:吾峠先生(鬼滅の刃)
- ポピィの願い:白井先生・出水先生(約束のネバーランド)
- Reプレイボール:筒井先生(ぼくたちは勉強ができない)
- Dr.STONE reboot:百夜 稲垣先生・Boichi先生
- 阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ:マツキ先生・宇佐崎先生(アクタージュ)
- バラバルジュラ:芥見先生(呪術廻戦)
- 佐々木くんが銃弾止めた:藤本先生(チェンソーマン)
- 恥神バクロ:鳩胸先生(ミタマセキュ霊ティ)
- 幻獣医トテク:権平先生(夜桜さんちの大作戦)
- マトリトワーク:中村先生(AGRAVITY BOYS)
- 破壊神シヴァ崎くん:甲本先生(マッシュル)
- 魔女の守人読切版:坂野先生
- アンデッド+アンラック:戸塚先生(アンデッドアンラック)
- バイトリーダー鉄澤〜不撓の七日間〜:長谷川先生(森林王者モリキング)
MONSTERS:尾田先生(ONE PIECE)
王道で面白かったです。シンプルな設定にも関わらずこんなに面白いのは、流石ワンピースの作者ということ…なのか?
ただこれは、読む前から相当バイアスかかってるので正当な評価とは言えないかもしれないです。面白いのは間違いないんですがね。
リューマはワンピース世界にも登場しているキャラですね。スリラーバーク編でゾロとゾンビとして戦った、ワノ国の伝説の侍です。
「竜」という存在はワンピース世界で結構重要なポジションにありそう。カイドウも竜ですし、モモの助も竜に変身します。偶然の一致ではないと思うんですよね〜。
さらに、この前ゼブラックで魚人島編を読んでたら、竜宮城にも竜のオブジェがあったことに気づきました。ますます怪しいです。
ところで90年代の漫画って"昔"って感じがしますね。
現在の漫画と絵柄が違うってのもあるんでしょうが、それ以前に漫画の文法が違うというか。
例えば、最近の漫画はインパクトのある設定を意識してるものが多いと思います。ツイッターで「〇〇が〇〇する話」みたいな構文で宣伝されているのもその現れだと。
一方で、この頃の漫画はそこまでインパクトを重視してないと思います。
例えば、MONSTERSをツイッターで宣伝しようとしたら「最強剣士が悪と竜をぶった斬る話①」とかになるんだろうけど、このタイトルじゃ誰も読もうなんて思わなそう。
「気を衒わない面白さ」ってのが結局は一番幅広く人気が出る要因なのかな〜と思いました。
これは鬼滅にも言えるかもしれないです(隙あらば宣伝)。
詭弁学派、四ツ谷先生の怪談:古舘先生(ハイキュー!!)
ええええええ。
本当にこれ古舘先生が描いたの!?ハイキューと全然違うじゃん。しかもこれ連載までしてたの?
青春スポーツも邪道ホラーも描けるとかそんなのアリですか?
傷のある先生と傷のない先生の二人いるとかじゃないの?笑
普通は「このキャラ、今連載してる作品のアイツに似てるな〜」ってのあるじゃないですか。この読切は一人も被ってるキャラがいない。
ジャンルが違うからってのもあると思いますが、それでもキャラデザと性格の両方が全く被ってないってのは相当異常ですよ。
しかも普通にメチャクチャ面白いし…。ハイキューの次回作が楽しみになってきました。いや、ハイキューも面白すぎるから終わらないで欲しいな…。
今回の読み切りパックで一番ビビったのはこの作品でした。
僕のヒーロー:堀越先生(僕のヒーローアカデミア)
「ヒーロー」「主人公の名前」「スナイプ」など、ヒロアカとの関連はたくさんありますが、「ヒーロー」への向き合い方の違いで全く違う作品のように感じました。
「ヒーローだけがヒーローじゃない」なんてデクは思わないでしょ。どっちかというと、ヴィジランテのコーイチに似た主人公な気がする…いや、どうだろ?ガチ勢に怒られそうだしこの話はやめとこう。
「オールマイト」「個性」という設定がある形で読んでるだけに、設定が浅いな〜という印象はありました。この読切だけで考えたらちゃんと設定内で上手く回してる話なんですが。
逆に、ここから今の世界観まで膨らませたのが凄すぎるのか。
そして何より画力!!
こっから今の絵になってるの努力の人すぎて尊敬しかないです。
ブラッククローバー読切版:田畠先生
うおっ面白いな。ブラクロってこんな面白かったっけ?
ブラクロは2年くらい前に1回読むのに挑戦したんですが、5話くらいでノリについていけなくなって諦めたんですよね…。
ゼブラックで再挑戦しよっかな。
ハイスペックラヴァーズ:ミウラ先生(ゆらぎ荘の幽奈さん)
かぐや様と設定モロ被りですね笑
どうやらこっちの方が先に描かれたらしいですけど、そもそもかぐや様もゆらぎ荘もちゃんと読んでないので、あんまとやかくは言いません(言えません)。
ミウラ先生にはエロコメのイメージがあったんですが、純粋なラブコメでも面白いですね〜。こんな健全な作品も描ける方だと思ってなかったです(失礼)。
エッチなハプニングが無かったのは残念ですが、最後にとても尊いキスが見れたので満足です。
文殊史郎兄弟:吾峠先生(鬼滅の刃)
画風に大正のイメージがついてるせいで、現代設定であることに途中まで気付けませんでした笑。
ただ、「独自の言語センス」「間の抜けたギャグ」「倫理の描写」という作家性を強く感じました。
たとえ作画が変わろうとも吾峠先生の作品だと必ず気づけますね。こういう漫画はこの人にしか書けないな〜という確信があります。
逆に言うと、全く違う設定で描いても、吾峠先生は鬼滅と似た読み味の作品しか描けないんじゃないだろうか。
鬼滅の次を考えるのはまだ早いですけど、次回作が楽しみな先生でもあります。
ポピィの願い:白井先生・出水先生(約束のネバーランド)
前に読んだことあるので細かい感想はカットしますが、まあ100点満点ですよね。普通にメチャクチャおもろい。流石ゴールデンコンビ。
白井先生は、SF設定で意外性と現実社会へのメッセージを込めるのが好きなのかな〜という印象を改めて受けました。約ネバでは、前半が意外な展開多め、後半がメッセージ性強めですし。
出水先生のファンタジックな絵と白井先生のSFチックな原作の相性が最高なんですよね…。ほんとに絶品。
約ネバの次も是非このコンビでの連載を読みたいです。もちろん、それぞれ別の人とコンビを組んでもそれはそれで面白そうですが。
Reプレイボール:筒井先生(ぼくたちは勉強ができない)
ぼく勉が現実的な世界観の作品だけに、タイムトラベルというギミックが入ってきたのには少し意表を突かれました。でも、個人的にはこのくらい破茶滅茶な方が好きかな。ぼく勉もかなり自由にやってますねけどね…。
元々リアル志向の作品には向いてない先生だったのでは?と思ってしまいました。
ぼく勉も面白いけど、自分が苦しんだ受験勉強と自分には無かった青春・恋愛をキャラが両立してるのが許し難いんだよな〜(理不尽)。
阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ:マツキ先生・宇佐崎先生(アクタージュ)
ちょくちょく読み返してる大好きな読切ですが、今回読んでもやっぱり面白かったです。
アクタージュとの共通点(黒山・柊・大黒天・市子・自己探究)も多数あり、ほぼ間違いなく世界は繋がってます。山田君・黒山の元カノの登場に期待してる読者も多いはずじゃないかな。
今の方がストーリー・画力がレベルアップしてるのは当然なんですけど、この時から心に響く強い言葉・構成と可愛らしいキャラが魅力的ですね。
絵は、宇佐崎先生の今の画力と比べると、流石に天と地ほどの差ありますね…。成長速度が凄すぎます。
ストーリーについては、これほどまとまりの良い世界に「夜凪景」とかいうブルドーザーをぶち込んで連載にしたマツキ先生が絶対変態だと思います。
バラバルジュラ:芥見先生(呪術廻戦)
俺「脚太っ」
単眼猫「太くねぇって」
Cカラーを見た瞬間、脳内でこの会話が交わされました笑
この読切、呪術と同じですね。
いや、全く違う設定の作品なんですけど。たとえ作画が変わったとしても「芥見先生の作品だ!」って絶対気づけるような強い作家性があると思いました。
今回の読切パックは「今の連載作品とは違うけど、これが連載になっても面白そう」と思う作品も結構あったんですが、この作品に関しては全く思いませんでした。
それは、この読切がつまらないからではなくて、「この作品の延長線上に呪術があるんだ」って確信したからです。
佐々木くんが銃弾止めた:藤本先生(チェンソーマン)
もしかしたら「初めから諦めてたら何もできない」的なメッセージが込められてるのかもしれないですけど、正直言って僕はそれを受け取る気はありません。
「何も考えずに読んで、最高に面白い」
こういう「純粋な面白さ」を楽しもうと思ってるからです。チェンソーマンもこういう読み方をしてます。
幻獣医トテク:権平先生(夜桜さんちの大作戦)
作風というか、読み味は今とほぼ変わってないんですが、絵柄とファンタジーキャラの相性がめっちゃ良いですね。
ただ、絵柄がシリアスっぽくないせいで、後半の葛藤と感動が浅く見えてしまいました。そういう目で見ると、今のゆるいギャグ路線の方が合ってるのかな。
もちろん、夜桜さんは別にギャグに振り切ってやってるわけではないですが。「笑えるか」ではなく、「和む」「ゆるい」「楽に読める」みたいな長所で戦ってるんじゃないかな〜と思ってます。
マトリトワーク:中村先生(AGRAVITY BOYS)
安定した面白さって強い。
にも関わらず、特に言うべきところが思いつかない謎。
面白いし苦手なところもないんだけど、「普通に面白い」「普通に感動」みたいな感想しか出てこないんですよね〜。
破壊神シヴァ崎くん:甲本先生(マッシュル)
ま…マッシュルだ…。
・常識がない
・キノコ頭
・ドアの開け方ギャグ(←笑ってしまって悔しいw)
・いじめられっ子をなりゆきで救う
・全部筋肉で解決
…この特徴は完全にマッシュルだ。
まさかマッシュル以外の漫画を描けないんじゃないだろうな…。
魔女の守人読切版:坂野先生
え?面白い…。
連載の1話より断然こっちの方が好きです。
1話を読んだときに気になったあやふやな設定や変な言葉遣いもほぼなく、スラスラ読めました。
読切に設定を追加しまくったせいで、まとまりが崩れちゃったのかな。
アンデッド+アンラック:戸塚先生(アンデッドアンラック)
ん、面白い。
ちょくちょくストーリーが変わってますけど、「何で変えようと思ったの?」って思ってしまうくらい、読切のときから完成度が高いですね。
実は、読切が掲載されて初めて読んだときは、下ネタ(セクハラ)が気になって面白く読めなかったんですよね。むしろ苦手なくらいでした。
改めて読んだことで、風子ちゃんにビビらず触れることの特別さ・喜びを読み取れなかったのがその理由だったと気づきました。
そういえば連載にハマりだしたのも、風子ちゃんのアンディへの好意が明らかになった2話からだったな。
考察的には、読切でしか明かされていない設定が連載と共通してるのかが気になるところです。
バイトリーダー鉄澤〜不撓の七日間〜:長谷川先生(森林王者モリキング)
安定の狂気
良い話みたいにまとめかけて台無しにするのホント笑えますw
「新人時代の読切にしてはレベル高すぎないか」って思ってググったら、発表時期が青春兵器の連載終了後でした。流石にね。
森林王者もこのくらい狂っていくのかなぁ…
ここまで読んでいただきありがとうございました。
面白かったら、スターやコメント、ツイッターでいいねやシェアして頂けると嬉しいです。
また別の記事でお会いしましょう!