アクタージュscene110「宣伝」感想・考察:スターの責務と役者のプライド
ネタバレあり。未読の方はご注意ください。
次回の感想はこちらからどうぞ。
前回までのあらすじ
シェアウォーターのCMに挑む夜凪だが、与えられた役の感情が分からず納得のいく芝居ができない。
夜凪はどうやってこの苦境を乗り越えるのか…?
今回は打ち上げ回以来の神回だったと思います。
最近ちょっと神回の頻度が高すぎないですか?(嬉しい悲鳴)
Cカラー
シェアウォーターの広告をイメージした夜凪と皐月ちゃんの2ショットを予想していたんですが、まさかの皐月ちゃん単独カラーでした笑
ポップな色使い・かわいい丸文字のタイトル・生意気なセリフ
最高じゃあないっすか……
設定追加という解決策
夜凪は自ら設定を追加することで、役の感情を理解して演じられるようにします。
↓先週のツイート↓
表層的な芝居が求められるCMとは相性が悪いって本当か?自分なりの解釈とかで良い芝居と求められる芝居は両立できると思うんだけど。それこそ2話のシチューのCMのときみたいに。
— シマ (@shima_manga) April 14, 2020
予想が概ね的中したので嬉しいです。まあ、このあとは想定外の流れだったんですけど笑
追加した設定は、「お母さんが亡くなって父がいなくなって 私は全部嫌になって走り出すんだけど いつだって支えてくれるのは家族… つまりあなたなの」とのこと。
これまんま夜凪の境遇ですね。今回の妹役の皐月ちゃんも、ちょうど妹のレイと同じぐらいの歳ですし。
そういう意味では、今回のCMの設定は夜凪にとって工夫がしやすく都合が良かったと思います。
しかし、今度は「クライアントの求めている芝居とは違う」ということでNGが出てしまいます。
スターの責務と役者のプライド
「私は自分で納得のいかないお芝居はできない」と食い下がる夜凪に、アリサさんが「スターの責任」を説きます。
大衆の期待に応えなければいけないというスターとしての責任。
それが千世子の背負っているものだと認識はしつつも、夜凪は決して千世子と同じようになろうとはしません。これは別に千世子の在り方を否定しているわけじゃなく、むしろ認めた上で自分の在り方を貫き通しているんだと思います。
夜凪にとっての芝居とは自己探求の手段。
なんとなくの芝居では自分の知らない自分に気づくことはできません。だからこそ"嘘"の芝居をするという選択肢はそもそも彼女の中に存在しないんじゃないでしょうか。
「自分で納得のいかないお芝居はできない」というセリフが、「私は役者」という意志表明の宣言のように聞こえました。
アキラの幼少期の回想。
これはアキラの回想ですけど、アリサさんもこのあと心の中で「もう誰の頬も痛ませずに済むように」って思ってるので、二人とも同時にこのときの事を思い出してるんだと思います。
アリサさんがアキラを連れてきたのは、夜凪にCMの演じ方のヒントを与えるためじゃないかと予想を立てていたんですが、それは逆でアキラに夜凪を見せることで「こういう生き方もある。あなたも自由にやっていいのよ。」というメッセージを伝えたかったからなのかもしれないですね。
もしかしたらアキラがスターズを辞める展開もあり得るのかも。
あと、アリサさんが「俳優(あなた)の都合は私たちには関係ない」って言ってるのが地味に気になりました。これは、アリサさんが「自分はもう俳優側じゃない」と強く思い込んでいるからこそのセリフじゃないでしょうか。
夜凪の戦い方
シェアウォーターを飲んで役作りするのはまだ分かるんですが、「あんまり美味しくない」で意表を突かれてしまいました笑
「宣伝は自分の好きなものの紹介」→「好きになるのは役作りと同じ」という論理の持っていき方はお見事。芝居とCMがスッとつながったと思います。
夜凪は演じるために嘘をつけない=本物にならざるを得ない役者。
だから、ちょっとだけ飲んで好きになった"ふり"ではダメで、本当に"心の底"から好きにならなきゃいけない。
この極端さは今まで夜凪の短所でもあったんですが、今回に限っては「商品の魅力を最大限伝える」というプラスの方向に作用していると思います。
意外と夜凪と宣伝は相性が良いのかも?
周りのキャラ
今回のメインはもちろんまっすぐな夜凪なんですが、それをフォローするアリサさんと元井製薬のおじさんと電話を受けたOBが良い仕事をしてると思います。
ここで夜凪をなんのハードルもなくサラッと通してくれたのが良かったんじゃないかな。テンポよく読める心地よさのおかげで、夜凪の純粋すぎる姿勢に読者が好感を持ちやすいなんて効果もあると思います。
夜凪にいくら怒っても読者からのヘイトが全く集まらない皐月ちゃんといい、このCM編はストレスフリーで読めるのがいいですね。
しかも皐月ちゃんにも学ぶべきことがあることは最後に示唆されています。完璧。
情報解禁
最新11巻
11巻表紙きました〜!『アクタージュ act-age』コミックス11巻カバー大公開!
— アクタージュ act-age公式【スタジオ大黒天】 (@ST_daikokuten) April 27, 2020
●カバーは羅刹女サイド甲主演・夜凪景
●特典はキャラ人気投票上位6名ポストカード
●特典配布店舗リストhttps://t.co/NjU9BOAsHq
●5月13日発売
よろしくどうぞ! pic.twitter.com/rFe7TWiVup
黒山さん予想だったんですが、羅刹女(夜凪ver)でした。
黒地に金のタイトルと重厚感がありますね。
横顔珍しいな…って思ってたんですが、「12巻で左向いてる羅刹女(千世子ver)がきたら、11巻と並べて夜凪と千世子が向かい合う形になる」ってツイートを見かけて納得しました。
絶対それじゃないですか…。
ジャンプGIGA
あああああ4月30日発売のジャンプGIGAで、アクタージュが表紙を飾ってます!見本誌も到着。
— アクタージュ act-age公式【スタジオ大黒天】 (@ST_daikokuten) April 27, 2020
応募者全員サービスや限定グッズプレゼント企画など、アクタージュの企画も盛り沢山!
今年のGWは漫画三昧でお過ごし下さい〜! pic.twitter.com/a5MjnGKhyT
表紙が…美しすぎる…。
応募者全員プレゼントのメタルアートボードは5500円だそうで。
普通に高いけど全く手を出せない値段でもないのが辛いところです。
今回は我慢かな…。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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また別の記事でお会いしましょう!