「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」ネタバレ感想
ネタバレあり。まだ観に行かれていない方は注意!!
全体概観
「凄い映画作っちゃったね…」というのが第一印象です。
「ツッコミどころは沢山あるけど、とにかく熱くて面白い」という評判を聞いて行ったんですけど、まさにその通りでした。
ストーリーや設定の細かいところの粗さは目立ったものの、熱すぎる展開で十分すぎるほどにカバーされていました。特に良かったのはA組全員のPLUS ULTRAが見れたところですね。この点に関しては、全員に魅せ場を持たせたスタッフの手腕が素晴らしすぎました。
普通に考えたら一回倒れた味方が再び立ち上がってもう一度抵抗するって主人公周りの数人にしか許されないような激アツ展開じゃないですか?今回はクラスの全員がそれをしてました。
ラストバトルなんかは、よくスタッフはこれを提案し堀越先生もそれに乗ったよねっていう。 映画観ながら「ええええ、それやんの!?それも!?アリなんですか???」って心の中で叫んでました。
そしてアニメの神作画すら超える超絶神作画でした。もう…頑張りすぎですよ。こんなにスタッフロールに感謝する映画はなかなか無いです。
オープニング
一番映画で印象に残るのはクライマックスですけれど、個人的にはその次くらいに大切なのは掴みであるオープニングだと思ってます。
そのオープニングでいきなりバトル持ってこられてがっつり掴まれました!しかもチンピラのバトルとかじゃなくて敵連合vsプロヒーローの本気バトルだったんで。
しかもエンデヴァーっすよ。エンデヴァー。プロミネンスバーン好きなんですよね。九州での改造脳夢との戦いの最後のPLUS ULTRAプロミネンスバーンが本当に好きで、その技が出てきたから凄いテンション上がりました。
真幌と活真
「ヒーローに憧れる弟とそれを心配する姉」というシンプルな設定。これだけで十分に物語を展開できるの、今までヒロアカという作品が作り上げてきた世界観が読者の間で共有されているからこそだと思います。
活真君の個性は「ナインの目的」と「治療」に、真幌ちゃんの個性は「イタズラ」「抵抗」「助けを呼ぶ」の3つの目的に使われていましたね。ゲストキャラの個性すら使い余すことなくフルに活用してたの凄い。
最初の戦闘
VSキメラ@砂浜
初動の戦いの全部に言えることだけれど、島民の救助に人員を割いて全力で戦えてないのリアルだよね。これのおかげで全力で戦うために篭城という発想になる流れもスムーズに感じました。
冒頭で相澤先生が言っていたように「敵と戦うだけがヒーローの仕事じゃない」ですもんね。この考え方は「勝って救ける!救けて勝つ!」にも通じるし、今作のテーマでもあったのかな〜と思ってます。
キメラとの最初の戦闘は、あまり描写が無かったので「常闇と轟までいるのに勝てないのおかしいでしょ」って思ったんですけど、後でこいつが強すぎただけなのが判明しましたね…。かなりの数の生徒をここに釘付けにしたんで、敵サイドのMVPは彼だと思ってます。
このキャラ、今まで本編で出てきたやつ含めてもかなり上位に入るくらい好きな敵です。やっぱりタフでパワーがあるやつが一番かっこいいんですよ(鷲匠先生理論)
vsマミー@商店街
こいつもかなり厄介なやつだった。てか爆豪いなきゃ無理ゲーだった。
最初に遭遇したのがバトル向けじゃない峰田・葉隠と、高火力だけど継戦向けの個性じゃない青山だったのがキツかった。クラスの中でトップクラスの実力のはずの切島や上鳴ですら布を断ち切ることができないだけであんなに不利だったし。逆に轟だったら炎で秒殺できたのにな〜とか考えてしまうけど。
相性的に上手くキャラが配置されていました。
VSナイン@林・草原
映画を見る前はボスキャラとしての格に不安があったんですけれど、完全に杞憂でしたね。個性を使用しすぎると副作用が出るという縛りをつける事でこの強さの敵を出せるようにしたスタッフ賢すぎでは?
欲を言えばもう少し過去とか背景の掘り下げがあったら良かったんですけれど、バトルを楽しむだけなら十分でした。
自分のを含めて9つまで個性を持てると言っていたけれど
気象操作 A型細胞活性 爪とばし 青い龍攻撃 空気壁 個性奪う
僕が確認できたのはこの6個だけですね。
全部画面に映える個性で、さすが映画のオリキャラだなって(?)。
デクがエアフォースを連発するのって何気に本編では記憶に無いんで見れて良かったです。牽制としての使い勝手もかなり良さそうだし、中距離攻撃を得て戦闘の幅かなり広がりましたね。地味だけど。
かっちゃんとデクの共闘も珍しいな…ていうか本編ではしたことないのでは。それでも勝てないというのは中々に絶望感がありましたが。
最後の口田君のカラスの目眩しが凄いイタチぽくって可笑しかった
避難所・作戦会議
八百万と上鳴がバトルじゃなく住民の生活支援で消耗してたり、生徒が住民のご飯を用意したりしてたの、リアルな災害対応ぽかったです。ここも「敵と戦うだけがヒーローの仕事じゃない」が現れてる部分かなと。
活真君が敵の狙いが自分だと告げる時に、真幌ちゃんが心配して止めようとするけど勇気を出してそれを活真君が振り切るの、二人のキャラの成分が凝縮されているシーンでした。
A組がナインとの決戦を選択した理由、「活真の個性が奪われる」とか「ナインに力を与えたら後々まずい」とか色々あったけれど正直どれも動機として弱かったかな…?篭城作戦だと島民全員を危険に晒すことになるし、「個性を奪われたら死ぬ」ぐらい切迫した状況でないと納得できない部分でした。
まあもし個性奪われると死ぬ設定だったら、お父さんまで亡くなることになるから仕方無いんですが。
篭城戦
分断班
青山も八百万も前日にかなり消耗してるのに、こんなに重要なポジション任されてるのA組全員がギリギリで戦ってる感が伝わってきました。
青山のビームってこんなに高火力だったけ?と驚く間もなく、PLUS ULTRAで連続攻撃。強いな…。しかもこの後も援護射撃までしてくれたし。次の日のお腹ヤバそう笑
八百万の大砲はこれで仕留めるんじゃ無くて、次に繋げるためのクレバーな一手でした。八百万は能力の使用限界がそのまま見た目に現れるから、ゲッソリしてんの見てて辛かった。
VSスライス@地下洞窟
スライスさん、暗闇でブーストかかった常闇君を近接で押すくらいだからかなり強いと思うんですが、酸で髪の毛を溶かせる芦戸さんとは相性最悪。最後は暴走した黒影との相打ちを狙って天井を崩落させて生き埋めに…。
不遇すぎる。忠実な側近女性キャラが活躍できないのはお決まりなのか?
常闇君の「ここは俺の世界だ」ってセリフめっちゃカッコよかったのに、その後バトルはむしろ押されてて、煽られてんのほんとどうしようもないね…。せめて暴走ダークシャドウを自分である程度抑えるとか、ある程度の成長エピソード欲しかったな。
VSキメラ@川
こいつがラスボスでも良かったと思えるほど強かった。怪力+炎+ビーム+巨大化+腕にトゲの複数能力持ちとかいうチート野郎でした。
最初の作戦は「梅雨ちゃんの神経毒で動きを止める」。砂浜で正面からぶつかりあって勝ち目がないと分かったからこその作戦な訳で、一日で方針転換したのすごく冷静だなと。
新しい方の作戦も全員の個性が綺麗にハマってて凄い好きでした。特に切島のアンブレイカブルはこの前アニメで見たばかりだったんでエモさ倍増。用意してた作戦が通じなくて追い詰められても、全員が轟のことを信じて命懸けたのが熱すぎた。あとはやっぱり轟のPLUS ULTRAですね。これ本編でやるべきじゃ無かったの?ってくらい正統派すぎる必殺技でした。自分すら凍ってしまう最大出力、恐ろしい。
VSナイン
お茶子&瀬呂&峰田の消耗戦
あくまでも個性を消費させることだけに割り切った戦い方。リアルな格上への挑み方でした。ナインめちゃくちゃ強かったけど、副作用のおかげでバランス調整できてたと思います。の割に最後暴走してたのは謎ですけどね笑
お茶子はキラキラしたところでリタイアかと思いきや、本命の攻撃をPLUS ULTRAしたのがカッコ良すぎました。さらにその後もデクのフォローに入ったりするなど粘りに粘ってましたね。
吹き飛ばされたお茶子をデクがお姫様抱っこでキャッチしてあげたのは、公式からの供給を感じました。ご馳走様です。
でもMVPは瀬呂だと思ってます。何度も味方を引っ張って回避させてたんで地味に。
デクとかっちゃんのリベンジ戦
普段は協調性のかけらも無いようなかっちゃんが、デクを投げ飛ばして攻撃するデクカタパルトで連携攻撃(?)したり、デクを蹴ってナインの攻撃から守ったり、遠距離攻撃して消耗を狙ったりで、何だかんだやるべき事やってんなと。
ナインの雷を上鳴を使って相殺したのは「同じ手は食らわない」を有言実行できてて胸熱でした。
クラスメイトのアシスト
障子が逃亡の付き添い役に選ばれたのは意外でしたが、複製腕で瀬呂みたいなことできたり、体の体積増やしてガードしたりできたりと適任ですね。一回倒された後も何度も身を呈して二人を守ってて、普段全然注目されてないけどこいつもヒーローでした。耳郎も尾白も、最初から崖に落として時間稼ぎ狙いとか割り切った戦い方してて良かったです。その後もめちゃくちゃ粘ったし。
再びデクとかっちゃんのリベンジ戦
この後ナインが覚醒とかしたのは覚えているんだけど、この辺りから凄いことなってきて記憶があやふやです笑 。このあたりからのバトルをもう一回見返したいですね…。
気になるのはデクがワンフォーオール100%使ってた事ですね。腕に負荷がかからないようにシュートスタイルを開発したのに、腕でSMASH撃って壊してたし。「これやって良いの!?」の連続でした。
活真君の細胞活性で治ったことになってるんだろうか。気になります。
二人のワンフォーオール
最終回か???
と思わず疑ってしまうような最高の演出でした。いやこれよくやったよな。ほんとに。「原作の最終決戦でやりたかった事」が入っているなんて知らずに観に行ったので、胸熱というより驚きが優先してしまい衝撃でしたね。
瞳の形変えた二人がオーラ出してたのは、あまりにもヒロアカっぽくない見た目だったんで驚きというか困惑ですかね…。
かっちゃんが早速オールフォーワン使いこなしてるのとか、戦いが終わったら譲渡が無かったことになったのは奇跡とか、ご都合展開も気にはなるんですけどそんなのどうでも良くなるような
圧倒的バトル
圧倒的作画
でした。本当にスタッフの方々お疲れ様です。スタッフロールをあんなに感謝しながら見届けるなんてなかなかない。
戦いが終わった後にナインが死柄木に殺されたのは、インターン編の治崎を思い出しましたね。シリーズのボスキャラを始末して、そのシリーズで高まったボスキャラの格を丸ごと吸収するやつ。
エンディング
デクが活真君に「君はヒーローになれる」って伝えて〆るの完璧すぎ…。
次の映画も絶対に観に行きたいと思います。
以上。ヒロアカ映画感想でした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また別の記事でお会いしましょう!