呪術廻戦 第93話「渋谷事変⑪」感想・考察
ネタバレあり。未読の方はご注意ください。
漏瑚の理念はただのエゴ
「100年後の荒野で笑うのは儂である必要はない」「呪いが人として立っていればそれでいい」
これまで漏瑚のことを、自分のことすら一つの駒として客観的に見れる達観した考えを持った存在だと思っていましたが、今回の真人との会話を見る限りどうやら間違っていたみたいです。
漏瑚の主張が呪霊としての理想的な考えとして共有されているものではなかったようですし、むしろ真人の考えの方が呪霊らしいかったです。
そういや、漏瑚は呪霊のボス(=真人)の意見として偽夏油に「呪霊こそが本物」と唱えていましたが、あれもただの自論に過ぎなかったんですね笑。
自分の意見をあたかも集団の総意のように語る姿…まあこれも人間らしいっちゃ人間らしいですが笑
美々子と菜々子
かつて地方で差別と虐待を受けていた女の子達ですね。
この二人の惨状が夏油の闇落ちの最後のキッカケとなり、新宿の百鬼夜行でも夏油の配下として戦っていたため、本物の夏油の思想を象徴する二人と言うこともできます。
つまり、この二人を偽夏油が殺すことには「本物の夏油と偽夏油の思想が全く違うものである」ことをはっきりと示す意味合いがあります。
(戦闘シーンすらなく死体が二つ転がってそうで怖いんだよな)
「後悔か。さてどんな味だったかな」
あの世で現状を嘆いているだろう夏油の"後悔"と呪霊を取り込むときの"味"を組み合わせたセリフを喋るのクズすぎる。やっぱり偽夏油は胸糞だわ…。
五条悟封印の影響
敵サイドと七海とで「五条悟封印の影響の評価」が違った理由を考えるのには、今回猪野が説明してくれた
①五条家の失墜による呪術師界の内紛 ②息を潜めていた呪術師・呪詛師の活動
の2つの要素が役に立ちそうです。
七海は、この2つが組み合わさることを重く受け止め「終わりです この国の人間すべて」 と評価したのでしょう。
そして真人が「術師と呪霊はイーブン」と評価したのは、「①五条家の失墜による呪術師界の内紛」を七海に比べて過少評価したからではないでしょうか。
偽夏油の思惑
ここでおかしいのは、偽夏油の「まあ そうだね」という真人の考えに同意するセリフ。
内通者を上層部に持ち呪術師界に精通しているはずの偽夏油が、真人の明らかな誤りを訂正しないのには違和感があります。これは虎杖を処分するように誘導しているからではないでしょうか。
五条悟が封印された今、宿儺は制御不能のジョーカーとなっています。何かしらの計画を立てている偽夏油にとって宿儺は邪魔でしかないかもしれません。
虎杖を死亡したら、宿儺復活の可能性が消えて偽夏油にとっては不安要素が一つ減りますし、この流れを活かさない手はないでしょう。「宿儺は獄門彊が失敗したときの代案にすぎない」という台詞からも、元々宿儺自体が目的ではなく五条悟への対抗手段としての利用を想定していたに過ぎないようですし、虎杖殺害にデメリットは無さそうです。
そして、真人はそんな虎杖を重要視しない偽夏油の姿勢を見て疑念を持った様子です。
もともと相容れない協力関係でしたし、五条封印という物語のターニングポイントで決裂し始めるのはスムーズでした。渋谷事変後に呪霊と呪詛師が完全に決別するシナリオも考えられるのではないでしょうか。
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